芸術(アート)とはなにか
美術とはなにか
芸術家でもなんでもない自分が、芸術とかアートについて語るのは、甚だ身の丈に合っていないと思うが、やはり一度も考えておかなければならないと思うので、考えたい。
芸術とかアートと呼ばれるものはなんなのだろうか。
美術館で展示されているものたちは、作品、つまりアートなのだろう。
最近は「現代美術」と呼ばれるものたちもあるが、芸術とか美術とかを見ても、なにがすごいのか、てんでわからない。
「わからないのがいい」とか、「見るだけで勉強になる」とか言われて育ったが、大人になった今でも、なにがすごいのか、よくわかっていない。
例えばゴッホのひまわりを見ても、特になんの感慨も浮かんでこなかった。
しかし、ゴッホの壮絶な人生や、ひまわりの絵を友人に送っていたなどのエピソードを知識として知ると、それから見るひまわりの絵はちょっと違って見えてくる。新宿にあるSOMPO美術館に、ひまわりの絵は飾ってあるが、見ると、さすがにその背景を知っているが故に、ちょっと違って見えてくるのだ。
睡蓮の絵を描いたモネも、日本が好きだとか、そういった浅い知識であるが、美術とか芸術を見る時には、その背景とか時代とか、浅い知識でもいいから頭の中に入れておかないと、本当に理解できずに終わってしまうものだと思う。だから、美術館では説明をしてくれる、ICレコーダーのようなものの需要があるのだろう。
芸術、アートの違い
話は戻って、芸術である。芸術とは、アートとはなんだろうか。
artは、原義に繋ぐという意味があり、個々を繋いで形にする。技術、芸術と辞書には書いてある。絵画は一筆一筆の積み重ね、音楽は一音一音の積み重ねというわけだ。
そう言った代々受け継がれてきた技術という意味も派生して付いているのかもしれない。
一方、芸術はどうだろうか。
芸という字は、手を加えて形を整える意味があると、辞書にはある。
元々植物を栽培するという意味から来ていて、植物を栽培するには、余計な枝葉などを切り取り、形を整えてやる必要がある。ここから手を加えて形を整えるという意味が出来上がり、自然のものに手を入れて、良いものに仕上げるという意味が出来上がった。また、ここから派生して、人間の質を良いものにするわざという意味もできたらしい。
だから芸という字だけ見ると、今ある素材に手を入れて、より良いものにするという意味があるのだろう。
術は、そのすべ、スキルという意味だとすると、芸術とは、今あるものの改良を意味するのだと思う。
そうなると、アートとはだいぶ毛色が違ってくると感じる。シンプルなものの連続という意味のアートと、より良いものにする芸術。全然意味が違う。
なんとなくだが、アートはプロセス。芸術はその目的という気がする。
人は今あるものをより良いものにするため、芸術ということをする。例えば写真は芸術になるだろうか。なると思う。写真という行為を通して、今あるものがより良い状態になるのであれば、芸術であろう。そして、写真を撮る行為とかそのプロセスがアートなのではないだろうか。
もちろん、そのプロセスの結果である作品も、アートの分類に含まれるのであろう。そういった意味で言うと、芸術もアートも似ているのかもしれない。
ただ一つ言えることは、今よりその状態をより良い状態にすることを目的としていると言うことだ。
以上

この写真は芸術か?これの意味するものはなにか?全くわからない。だが、人間は、わからないものには畏怖する。美術館に飾ってある作品もわからない。みんながすごいというから、すごいんだと錯覚する。もし美術品が差し代わっていても、誰も気づかないだろう。
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