(123) 「狩」という字には、なぜ「守」という防御的な要素の字が含まれるのか

自分は字が出来た起源、つまり「字源」を調べることが好きである。

そんな中、狩りに出かけるの「狩」の字に、「守」という字が含まれていることが気になった。

狩りとは「守」るとは正反対に、自分から能動的に仕掛け、獲物を取る行為だと思っていた。

だから、なぜ守るという字がそこに入るのか不思議であった。

もちろん獲物を得ることで、家族を守るとかそういった意味かとも思ったが、どうやら違うらしい。

そもそも守るという字は「うかんむり」に、「寸」である。であれば「寸」というのはどういう意味か。

これは手の脈拍を図る行為のシチュエーションを、字にしたという記載があった。

今、自分の左手、もしくは右手の脈を測ってみてほしい。

そうするとどちらかの手の親指で、もう片方の手の脈を測ったはずだ。

そう、親指で測るのだ。その親指の長さがおよそ一寸という長さである。

そしてこの「寸」という字はこのように手の描写と密接な関係にある。

手とは何かを包んだり握ったりする意味があり、「包含」、「包み込む」イメージがある。

ここから何かを囲んで取り巻く、包むというイメージが出てきた。

「守」という字は、(うかんむりは家の意味だから)家の中で何かを、それこそ守る描写を表している。

では「狩」という字はどうなのか。これはけものをみんなで取り巻いて、囲んでそれこそ狩る描写を表している。

だからどっちかというと集団で獲物を追い詰め狩るというイメージなのだ。単独行動でもいいが、どこかに追い詰めて、スペースを無くしてゲットするイメージがある。

このように、漢字を調べるとその起源がわかって面白い。

漢字は意味が表現されているから、面白い。

以上

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