(66) 明るいと、色が濃いの違いはなにか
ぼくは写真が確か写真がきっかけで、色彩に興味を持つようになったのだと記憶している。
色彩検定というのも2級というのに挑戦し、合格することもできた。
3級もあるのだが、飛び級して2級からチャレンジした。とはいっても3級の内容も理解しておかないと2級の問題は解けないので3級の内容から勉強していったのだが、その中で一番理解に苦しんだ単元がある。
それは「明るい」と「色が濃い」の違いである。
例えば次のような色があるとする。
なんとなく深緑みたいな色である。
次にこの色があるとする。
二つを並べてみる。
さて、この2つの色を見たとき、あなたは左より右の方が
- 色が暗くなったのか それとも
- 色が濃くなったのか
を、断言することができるだろうか。
ぼくは当時できなかった。(今も怪しい)
なんとなく右の方が暗い感じもするが、濃くなったとも言えそうだ。
ちなみにこれは色彩検定の公式のホームページに載っている問題で、どうやら「暗くなっているらしい」で、どうやら「暗くなっている」らしい。
ぼくはこれだどうしても理解できなかった。だってどうしても自分の主観によるものだからだと思ったからだ。なにか数値で推し測れるものではなく、自分の感覚で○×がつく。それがどうしても許容できなかった。
色々とテキストやネットを探るも、色ごとに明るさと濃さでグラデーションでまとまっている図があるので、その色を目で暗記するしかないといった記述しかないように見受けられた。
ずっと思い悩んでいた時に、このツールを見つけた。これだ、と光が見えた。
https://www.peko-step.com/tool/tfcolor.html
光は3つの要素で構成されている。赤と緑と青だ。これが混ざり合って、さまざまな色を表現している。
このツールはその色の配合ができるというものだ。赤、緑、青、それぞれ256段階まで調整できるようになっている。(0〜255)
例えば赤の255(一番赤い)のはこういう色
緑はこれ。
青。
色の出力パワーはそれぞれマックスだが、おそらく緑が一番明るく見えるのでないだろうか。
これは人間の目の作りの問題で、一番明るく見えるのが緑、次が赤、最後に青となっている。おそらくその順に明るく見えているのではないだろうか。
今回は赤で明るさと色の濃さについて考えていこうと思う。今後は明るさは「明度」、色の濃さは「彩度」と記していく。
明度
最初から結論を言ってしまうが、「明度(明るさ)とはこの0〜255までの色の出力パワーのこと」だとぼくは理解している。つまり0だと暗く、255は明るいといったことだ。
0だと黒になってしまうので、50と200で比べてみよう。
これが50。
次が200。
確かに明るくなったといえば、明るくなったも思えるが、色が濃くなったといえばそうも言える。
一旦この種明かしは最後に取っておいて、彩度(色の濃さ)について考えてみよう。
彩度
彩度とは赤、緑、青それぞれの数値の差分によるものと考えている。
これだけだと意味不明なので、実際に色を見てみる。
これがさっきの赤200。
次に、赤200に、緑70、青70にしてみる。
ちなみに、ツール上はこのようになる。
あれ、なんか色が薄くなったな、と感じる人も多のではないだろうか。
確かに明るくなったと感じることもできるが、まず第1印象は薄くなったということなのではないだろうか。
彩度とは、一番メインの色と他の色との差分で決まる。
赤200の場合は他の緑と青が0なので差分は200。
対して赤200、緑70、青70は緑と青が入ってきたため、差分は200−70=130になった。
差分200が130となったため、色が薄くなったのだとみえるのだと思う。
例えが適切かわからないが、例えば黒人の人が白人や黄色人種の人と子どもをつくったとすると、その子どもは親の黒人の人より肌が黒くはないはずである。これと同じように違う要素が入ってくると、元の要素が薄まる。これは色彩にも同じことが言えるのだと思う。
ここまででなんとなく彩度についてはおぼろげながら前よりは理解が進んだのではないだろうか。
しかし最初にやった明度についてはまだ理解できていないであろう。
彩度を勉強した後にもう一度明度について勉強すると、理解が早まる。もう一度明度を見てみよう。
明度 再び
まず明度を考えるときは、色は除外して考えた方が理解がしやすい。つまり白黒、モノクロで考えるとわかりやすい。
先ほどのツールで白黒を表現するには、赤、緑、青の出力数を同数にしてやればよい。
例えば赤0、緑0、青0。
赤100、緑100、青100。
赤240、緑240、青240。
これらを見てもらうとわかるかもしれないが、出力パワーが弱いと黒に、強くしていくと白に近づいていくのがわかると思う。
白黒の世界になると、最初の明度のところで説明したように、「明度(明るさ)とは0〜255までの色の出力パワーのこと」というのと同じであることに気がつくと思う。
つまり白黒の世界では、明度は出力パワー数に応じて、明るくなる(白)、暗くなる(黒)が決まってくるということだ。
では最初の疑問に戻ろう。次の二つは明るくなったのか、それとも濃くなったのか。
赤50。
赤200。
明度という観点で見れば明るくなっている。(50→200だから)
しかしぼくの目には濃くなっているとも見える。これはなぜか。彩度の章で、「彩度とは、一番メインの色と他の色との差分で決まる」と書いた。つまり、赤50は他の色が0のため、差分は50。赤200は他の色0で差分は200。差分だけ見ると、50→200となっているため、色も濃くなっていると見えるわけだ。
つまり、赤50→200にした場合、明度も彩度も上がっていると言えるのだと理解している。
トーン概念図
こういった明度と彩度を図にしてくれているわかりやすいものがある。
それがトーン概念図である。
縦軸が明度、横軸が彩度になっている。これを見れば、この色がどの辺のポジションに当たるのかが一発でわかる。
まず色を見たときに、明るさから判断した方がいいと思う。その色を見て明るいと感じるのか、暗いと感じるのか。
明るいと思ったら、高明度のところをみて、次に彩度を見ていく。濃いと思ったら右に、薄いと思ったら左のポジションにある。
今日は明るさと濃さについて、自分なりの考えを書いてみた。これらはぼくの私見であり、合っている確証はない。それを了承の上、見てもらって、なにかコメントあればいただけると大変嬉しく思う。
以上。
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