(140) サバイバルモードを解除する

みなさん、こんにちは。今日もブログを見に来てくれて、ありがとうございます。

今日は、なんとなくイライラしてしまって、神経過敏になっている人の気持ちを少しでも穏やかにするための記事です。

なぜイライラするのかというと、生物としてのサバイバルモードがオンになっているからです。サバイバルモードとは何なのか、どうしてそのモードになってしまうのか、そしてその状態をオフにして、平穏な気持ちを取り戻すためにはどうすればいいのかについて、話をしていきたいと思います。

サバイバルモードとは

まずサバイバルモードとは、生物として生きるか死ぬかという究極の二択を迫られるくらい、切迫した気持ちのことを指します。

つまり、この選択をミスしたら、命がないというくらい緊張している精神状態のことを指します。

ぼくたちは今はかなり文化的な生活を営んでいますが、つい数十年前までは、戦争があり、そして食糧危機があり、戦地では明日死ぬかもしれない、また敵国に攻められて命を落とすかもしれない、そんなギリギリの生活をしていました。

その前も数百年前に遡ると戦国時代で、やはり国内でも戦があり、多くの命がそこで失われ、飢餓や疫病によって今よりもずっと多くの命が失われていました。

さらに数千年、数万年遡ると、狩猟民族として獲物を狩ったり、火を起こして野獣と戦ったり、木の実を採取したりして暮らしていました。

何を言いたいかというと、平和になったのはつい最近の話であり、それまでいつ死ぬかもわからない、非常に不安定な生活をしていたということです。

それがここ数十年で急激に文明が発展し、類を見ない進化を人類は遂げています。しかしそれは人類の歴史から見ると、ほんの短い間です。

ぼくたちホモ・サピエンスが登場したのが20万年前くらいと言われています。そこから今までの人類の歴史を棒グラフにすると以下のようになります。

ホモ・サピエンスが登場し、しばらく(というかほぼ95%以上)が、狩猟採集民族として、生き永らえます。その95%ほどが終わり、そこからの99.9%くらいまでが農耕民族として栄え、有史(西暦0年からとする)から数えれば、まだ1%ほどしか経っていないのです。

さらに、高度経済成長が始まった戦後(1950年とする)から今までの74年間とすれば、人類の20万年の歴史から言えば、0.03%にしかなりません。厳しい人類の歴史から見れば、平和になったのは、全体の99.97%に達して、やっと手に入れた宝物なのです。

それまでは常にサバイバルモードをオンにして、生きるか死ぬかをジャッジして、死に物狂いで生きてきました。そんな0.03%くらいの時間で、このモードが簡単にオフになるわけがないのです

サバイバルモードは、本能として根付いている

このサバイバルモードは、鋭いアンテナのように、何事にも敏感に反応します。

  • この食べ物は食べても大丈夫か。
  • この行動を起こしたら、命の危険にさらされるのではないか
  • この人物を怒らせたら、自分の身や家族に危険があるのではないか

そんな形で、狩猟採集民族時代に培った、このサバイバルモードをオンにして、この平和な世の中でも生きてしまうのです。

このサバイバルモードの良いところは、危険を察知し、それを脳が考える前に反射的に体が動いて回避してくれることにあります。

これは人類が数万年かけてコツコツと培ってきた本能的なスキルです。

しかし考えてみれば、今の令和の世の中には危険がそれほど溢れていません。

襲いかかってくる猛獣はいないし、食うに困ることもほとんどない。病気になっても病院があるし、怪我をしても病院に行ける。

もちろん事故や大病、事件に巻き込まれる可能性はゼロではありません。

しかし狩猟採集民族時代のように、マンモスが襲ってくることも、怪我をしても手当する道具がないわけでもありません。それらを何十万年もかけて人類は克服してきたのです。

それが当たり前になってしまっているのに、身体はなかなかその平和な世の中には慣れません。今までの99.97%は危険であったので、すぐにそのモードをオフにすることなんてできないのです。

どんなに平和でも、そのセンサーは悲しいかな、止まってくれないのです。

どうしたらサバイバルモードをオフにできるのか

それではどうしたら、そのサバイバルモードを適度にオフにして、平静な生活を送れるのでしょうか。

それは、自分の頭を使って、冷静に状況を観察することです。

例えばぼくの場合、毎週ポッドキャストとブログを書くのを日課にしているのですが、たまに面倒になる時があります。

でもやらないといけない。そう思うとストレスを感じます。

しかし冷静になって考えてみると、別にポッドキャストやブログも、やらなくてもいいわけです。完全に自分の趣味の領域でやっているわけで、これをやらなかったからといって、死ぬわけではありません。

また、家事をしなくていけないと思っている、子育てパパも、心配する必要はありません。お風呂洗いも完璧にやらなくても、別に身体は綺麗に洗えます。アイロンをかけなくてシワがあっても、まったく命に関係ありません。

子どもがテレビを見過ぎていて、何度注意しても何時間見てしまっても、問題ありません。そこまで言っても聞かないのであれば個人の責任ですし、もうそれ以上やっても自分が疲れるだけです。テレビを見過ぎたからといって必ず目が悪くなるとは限りませんし、冷たく言ってしまえば、彼らの人生ですので、親がそこまで気を揉んでも、親が疲れてしまいます。

また、子育てパパの例ですが、もし仮に土日休めていなくても、全く気にする必要はありません。休憩を取りたいのであれば、どこから家を出て、外出しようと思えばできるし、家族と一緒にいても、休憩は取れます。

このように、悩んでいることも、何だか過敏になって、ジャッジしているだけで、実は大した問題ではありません。サバイバルモードを解除できないぼくたちが、問題を過大評価してしまっているだけです。

サバイバルモードは可及的速やかに判断し、行動する必要があります。そのため、○か×かの2元論で物事を片付けようとします。しかもその片付け方も、ストレスホルモンを分泌し、それが嫌だからすぐに済まそうとするやり方なので、文字通りストレスがかかって嫌な気分になります。

コツはサバイバルモードになっている自分を俯瞰し、そんなに大した問題でないことに、脳で気づくことです。

それができたら、いかに自分が物事に対し、二元論で考え、ストレスの力を使ってそれを解消しようとしていたかがわかるはずです。

この世の中、そんなにサバイバルする必要はないのです。それに気付いて、もっとリラックスするべきだとぼくは思います。

今日は以上になります。

ありがとうございました。

タイトル「忍び寄るアイツ

このくらい巨大な生物が襲ってきたら、サバイバルモードはオンです

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