(52) なぜ押しつけたいと思うのか

押しつけてくる相手への対処

自分の気持ちやすべきことを押しつけてくる人への対処は、わかっている。

その人は大概善意から押しつけてくるのである。ぼくにとって利益が出ることを提案してくれているのである。

ただそれがどうしても勢いがついてしまって、押しつけと受け取られがちな時もある。しかしそのときはこの人は善意で言ってくれているんだと思い、受け入れられるところは受け入れる。受け入れられないところは受け入れないという対処でいいと思う。

自分が押しつけたい場合

では逆に自分が誰かに押しつけたくなってしまうときはないだろうか?

上記のように、押しつけは迷惑がられるということは、自分がやられて嫌なので、わかっている。

しかしどうしてもそれが悪いことのように思えて、ついついお節介を焼いてしまいたくなる。

これも100%善意である。だからこそこの善意を消化したいと思ってしまう。でも言ったら嫌がられることも知っている。ではどうすればいいのか?

これには有効な手段があって、「受け取られない手段もある」ことを、オプションとして提示するのだ。つまり渡すけど、受け取らなくてもいいという逃げ道を作ってあげるのだ。

押しつけとは概して、送りっぱなしで拒否されることを求めていない。そうなると受け取った相手は受け取らざるを得なくなるので困るのだ。だからぼくはこう思うし、こうした方がいいと思うけど、最終的に決めるのはあなただ、と逃げ道を作ってあげるのが良い。

ただしさらに気をつけた方がいい点がある。それはそもそも「送る」こと自体を拒否している相手への対処だ。

別にプレゼントを捨ててもいいと言われても、そもそも送ってこないでと思っている人もいるだろう。そういう人にはそもそも送ってはいけない。

押しつけを発動させていいのは、相手にその押しつけてきたものを捨てる権利があることを明示し、かつ一度は押しつけていいと了承がとられている場合に限る。

押しつけてもいい場合

だから、この人は今は自分の話をしていて、あんまり反論を期待してないだろう、とか、今は自分の話を打ち明けているんだろうという場合は、自分の意見を返してはいけないと思う。なぜならそれは相手に聞く姿勢がとれていないからだ。

キャッチボールをするときも、相手がグローブをはめておらず準備ができてないときにボールをビュン!と投げても、キャッチしたとき痛いだけだろう。

ちゃんと相手がボールを取れる状態になっているか、なっていなかったらボールを投げてもいいか、そこはコミュニケーションを取った方が良いと思う。

自分の意見を相手に伝えたいと思うのは、人間のコミュニケーション上、実に正常なことである。ただそれをむやみやたらに投げまくっては相手も迷惑である。相手がちゃんと自分の意見を受け取る姿勢になっているか、それを確認してから”押しつけ”をするのが、重要だと思う。

もし自分から見て、相手に受け取ることができる余裕がないと感じ取られた場合、投げて良いかの確認をすることもはばかられ、何もできずモヤモヤする時もあるだろう。

そういうときは我慢するしかない。自分はボールを投げたくてウズウズしていても、相手にボールを受け取る姿勢がなければ、キャッチボールは絶対に成立しないのだ。

相手があってこそ、伝えるということは成立する。もし相手の準備が整っていないのに自分の意見を一方的に話すことがあれば、まさにそれが押しつけである。

相手のことを思い、どれだけ自分の意見をグッと堪えて、投げてもいい時まで待てるか。その時間が長ければ長いほど、相手のことを思えている証拠になるのではないだろうか。

以上

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