有体物と無体物の違い

みなさん、こんにちは。今日もブログを読んでいただき、ありがとうございます。

今回は、「有体物」と「無体物」の違いについて、説明をしようと思います。

知的財産権などを勉強していくと、目に見えないものである著作権などに触れていくことになりますが、目に見えるとか、そもそも物とはなにかという話が気になってくると思います。

その辺りについて、書いていきたいと思います。

なお、この記事は、法律家でもなんでもない私が、書籍を読み勉強し、自分なりの考えをただまとめただけのものです。内容の正確性については一切保証ができませんので、ご了承ください。

そもそも「物」とはなにか

有体物とか無体物とかを考える際に、まず「物」 の概念を理解する必要があります。

物とは民法85条において、以下のように書かれています。

この法律において「物」とは、有体物をいう。

なんとこれだけなのです。これだと次の疑問として「有体物」ってなに?となると思います。

『「民法総則」新井 誠、岸本 雄次郎 日本評論社』という書籍の209ページには、以下のように書かれてあります。

ここにいわゆる有体の意味については、一般的には体積を有すること、すなわち空間の一部を占めて有形的に存在することと解されている。よって有体物とは、固体・液体・気体をいうものと理解されてきた。

なるほど、ここで有体物とは体積を持っているものと理解できるのです。私の場合はもう少し噛み砕いて、その物が「㎤や㎥」で表せるかでジャッジできるのでは、と考えています。

例題

例えば「命」は物でしょうか。それとも物ではないでしょうか。とても難しい哲学的な問題に聞こえますが、先ほどの、「㎤や㎥」で表せるかと考えれば、おのずと答えは出てきます。

命は、「㎤や㎥」では表せられないですよね。私の命は100㎤です、という会話は存在しません。

しかし例えば心臓であればどうでしょうか。これには体積がありますから、「㎤や㎥」で表せます。

まとめると、命は無体物であり、心臓は有体物だと言えそうです。

本は有体物か、無体物か

そして知的財産法での著作権では、その対象は有体物ではなく、無体物となっています。有体物にかかる権利は所有権となっているかと思います。

ここで小説を元に、有体物と無体物がちゃんと分けられるか、確認してみましょう。

例えば小説Aがあるとします。そしてあなたは小説Aの本を購入しました。読み終わったので、その本を古本屋に売りに行くとします。あなたは古本を売った対価として500円を受け取りました。これは特に問題ないですよね?

しかしその本をコピー機でコピーして誰かに500円で売ったとします。これはどうでしょうか、おそらく著作権の侵害で罪となります。

物を売るのはOKなのに、なぜコピーして売ったらだめなのか。なんとなくダメそうだからということで、本のコピーはしていないと思いますが、よくよく考えると説明が難しいと思います。

これはまず無体物としての「小説」と、有体物の「本」というのを分けて考える必要があると思います。

私たちは、小説も本も一緒のものだと考えていませんか。おそらくこれは法律上では違います。

では小説とは一体なんなのでしょうか。これは著作物の代表事例の一つとしても掲げられていますが、小説とは例えば「坊ちゃん」とか「吾輩は猫である」とか「ハリーポッター」とか「世界の中心で愛を叫ぶ」とかですよね。

そしてこれらは作者の考えを文字として表現したものです。

吾輩は猫であるを、120㎤とか、世界の中心で愛を叫ぶは564㎥とかでは表せないですよね。それはなぜかというと体積を持たないからです。ですからこれらは無体物となります。

一方、吾輩は猫であるの文庫本はどうでしょうか。おそらく15センチ×20センチ×10センチで3,000㎤といったところでしょうか。体積があるため、有体物に分類されます。

一見、小説も本も分類しなくても日常生活では困らないので分けることはしませんが、法律を考える上ではきちんと分ける必要があります。

上記の通り、小説とは内容やコンテンツのことであり、それを印刷し、物質として存在させた物が本なのだと思います。

そして有体物に対しては所有権が、無体物に対しては著作権が働きます。

所有権については、所有者は所有物を、第三者に譲渡したり、貸し渡したり、極端な話廃棄することもできます。ですから所有している本(有体物)を誰かに売ることもできてしまうわけです。

しかし小説(無体物)はどうでしょうか。無体物に対しては著作権が働き、勝手に複製したり譲渡することは禁止されています。

先ほどの例だと、勝手にコピー(複製)していますので、著作権法違反となるわけです。

ですがまだ、なんとなく、なんで本は売っていいのに、中身はコピーしちゃいけないんだろうと、モヤモヤしますよね。

これは、作った側の立場に立つとわかりやすいです。

勝手に使うな!という気持ち

もしあなたが自作の小説を作ったとしましょう。10万文字で書かれた小説です。

著作者となったあなたはこの小説を本にして売ろうと考え、一冊1000円で売りに出しました。

めでたく何冊か売れ嬉しい気持ちになりましたが、何ヶ月か後に自分が書いた小説が、勝手に違う作者名でネットでアップされ、500円で売られ、たくさん買われているようです。もちろんあなたにはそのお金は一銭たりとも入ってきていません。

この時あなたはどう思うでしょうか。考えてみて下さい。

おそらく勝手に私の作品を使うな!パクるな!と思うのではないでしょうか。

この行為は著作権の中のいくつもの権利を侵害していますが、根本にあるのは人の作品を勝手に盗んで自分のものとしてお金を稼いでいるところにあります。

しかしこの盗作者は本を盗んだのでしょうか。いえ、おそらくあなたが売っていた本を購入しているはずです。

盗んだのは本ではなく、中身であるコンテンツなのです。

文字は簡単に複製が可能です。なので著作者を守るため複製権という、著作物を複製できる唯一の人と定め、著作者を守っているのです。

まとめ

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

知的財産を考える上でまず通る道が、有体物と無体物の違いなのではないでしょうか。

間違っているかもしれませんが、わかりやすい考え方として、有体物とは体積があるもの、「㎤や㎥」で表せられるものということをご紹介させていただきました。

誤った考えを植え付けてしまったかもしれませんが、何か参考になりましたら幸いです。

それは違うよとか間違っているよ、とかいうご指摘があれば、コメント欄からお寄せいただけると嬉しいです。勉強させていただきます。

今回は以上となります。

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